男では地球上最後の一頭と言われているキタシロサイのスーダンが、3月19日の夜、こ
の世を去ったというニュースが翌朝から世界中を駆け巡った。
僕らも朝起きて、ビエラがレンジャーや彼の暮らしていた Ol Pejeta のインスタグラムで
このことを知ったのだけど、悲しいのと同時に、こんなにも世界中の人がスーダンに注目
してた事に驚いた。
スーダンは、1970年代の終わりから1980年の始まる頃、まだ子供の頃に人間に捕
らえられ、チェコの動物園に送られ、そこで約30年間生活することになる。
その頃中国では漢方として、中東ではナイフや短剣の柄などの生活用品にサイのツノが良
いとされ、アフリカでサイの大虐殺が始まり、1970年~2015年の間に数千頭いた
キタシロサイはたった3頭にまで大激減する。
(*現在アジアなどでサイの角は1キロあたり約65000ドル(日本円で1キロ700万
円以上!!)で取引されてるそう)
スーダンは2009年、絶滅寸前のキタシロサイを保護する為、ケニア政府はチェコから
ケニアの野生保護区「Ol Pejeta」にスーダンを移し、この保護区でレンジャーやスタッフ
達と共に今日を迎える。
僕らは去年の夏、クラウドファンディングで39人の愛して止まない方々から合計30万
4000円の支援を頂いて、ケニアまでスーダンに会いに行く事ができた。
以前仲良くなったOl Pejetaのレンジャーやスタッフのみんなのおかげで、毎日のようにス
ーダンに会わせてもらって、一緒に散歩したり、草を食べる仕草や、顔を木に擦り付ける
のをレンジャーとビエラと僕の3人で眺めたりした。
会う度に硬い背中を両腕いっぱいに抱きしめたり、むにょむにょ柔らかくてあったかい脇
の下をさすってやると、もっともっとと喜ぶスーダンの姿を見て、みんなで笑った。いや
ーいっぱい笑った。
スーダンは僕らのことはあまり興味無さげで、黙々と草を食べてはノソノソとその大きな
体で歩き回った後、木陰でバタッと倒れ込んでブフーッと鼻息を荒げ、そのまま寝てしま
う姿が、ありのままのスーダンなのだなあと感じていた。
みんなが支援してくれたり、宣伝してくれたり、こっそり銀行に別支援を振り込んでくれ
たり、冷やかしがてらの激励電話やメッセージがたくさん届いたり、ケニアに行ってる
間、ドイツの家で猫と留守番してくれたりと、みんなのひとつひとつの大サポートが、ス
ーダンとこの世でもう会えなくなった今、とてつもなく大きな財産になってることに気づ
いたら居ても立ってもいられなくなり、今、カフェでコーヒーを飲みすぎておしっこを我
慢しながらこれを書いてる。(ああ、漏れそうだ!)
言いたい事はただひとつ、大感謝だということです!!!
スーダンに逢わせてくれて本当にありがとう。
ビエラの描くサイの短編アニメもいよいよストーリー作りが始まってて、僕もアフリカへ
行く準備。
今回はどんな旅になるのか。久しぶりの予定なし、期限なしの何でもありの旅。
今回の目的のひとつは、僕らは野生動物達の側で暮らす事が出来るのか調査。
もし家からをキリンやサイや像たちの生活が見れるなら、これ以上の家はない!と
思い立って、実際にそんな生活が出来るのか調べてこようと思う。
初めてスーダンの事を知ってから、彼の命ギリギリ最後のところで逢えた事が、僕らの人
生にどれだけ大きく影響していくのか。
どうやれば支援してくれたみんなと僕が旅で感じてる事をもっとシェア出来るのか、もう
ちょっと考えてみよう。(旅先からライブチャットとか?)
みんなのお陰様で夢の中で生きるように生きれてます。
ありがとう。
むにょむにょぷにぷにしたい程愛してます。